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細かい工夫がいっぱい!―障害者のための職業訓練校での発見―

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難民を助ける会では、ミャンマー(ビルマ)の最大都市ヤンゴン(ラングーン)において、2000年より障害者のための職業訓練校を運営しています。職業訓練校では、理容美容・洋裁の技術に加え、接客や会計についても学び、卒業後、仕事に就き自立して生活することを目指しています。また、卒業生向けに、より実践的な技術を身に付けるためのモデルショップの運営も行っています。今回は、理容美容クラスで発見した技術習得のための様々な工夫、そして洋裁モデルショップについて、ご紹介致します。

もってる障害はみんな違うから

難民を助ける会が運営する職業訓練校の訓練生は、身体に障害をもっている人たちです。一口に身体障害といっても、杖を使う人、車イスを使う人、足は不自由でも上半身の筋力はある人、手と足が不自由な人、耳の聞こえない人、など障害の状況は、ひとりひとり違います。クラスでは、卒業後の自立を見据え、身体への負担を少なくしながら仕事をしていけるよう、写真のような様々な工夫が凝らされています。

体に合わせた様々な工夫

イスを使って作業

足に障害があり、長時間の立ち作業が困難な場合。イスを利用します

どの器具も、訓練生たちが卒業後も自分で入手できる材料で、簡単に作ることができます。壊れたからもう仕事ができない・・・という事態にはなりません。

車輪つきのイスで動きやすく

足が不自由で、普段は杖を使っていますが、立ち続けてカットをすることが難しい場合。車輪のついたイスを利用することで、座ったまま移動できます

手だけで移動できるように

足が全く動かせず、普段は車イスを使っている場合。手だけで移動ができるよう、お客様を囲う形のイスを使っています

切り抜きを使って要望を確認

聴覚に障害のある場合。雑誌の切り抜きを見ながら、お客様の要望を確認します

踏み台を使って立ちやすく

左右の足のバランスが違う場合。片足を乗せるための小さな台を利用して、バランスを保ちます

技術をしっかり習得します!

壁には切抜きがいっぱい

壁には切抜きがいっぱい

教室を見回すと、いたるところに色々なものが掲示されています。その全てに、訓練生たちにしっかり技術を身につけて欲しい、という先生たちの願いが込められています。

壁のあちこちに貼られた雑誌の切り抜きは、カットのお手本としたり、流行のヘアスタイル情報を把握したりするためのものです。日本の雑誌もたくさんありました。

お客様からのメッセージ

「接客も良く、切り方も良かった。未来に向けて頑張ってください」

鏡には、お客様からのメッセージが貼られています。自分が対応したお客様からの温かいメッセージが、訓練生の励みになります。時には厳しい指摘もありますが、全てが訓練生たちにとっては温かいメッセージなのです。

練習実績

訓練生の実習実績が一目で確認できます

教室の前には、各訓練生の実習の記録が貼られています。カット、パーマ、顔剃りなどを何人に対して行ったか、記録をしています。これをもとに、実習内容に偏りがないようチェックしています。

モデルショップは実践とメッセージ発信の場

モデルショップは、一般の人をお客様とする、実際のお店そのものです。訓練校卒業後、自分のお店を開く前に、より実践的な技術を身に付けることを目的としています。

それだけではありません。モデルショップには大きな目的がもう一つあります。それは、お店の存在や、お客様に障害者と接してもらうことを通して、社会の障害者に対する理解を深めることです。障害があっても、高い技術を身に付け、障害のない人と同じように自立することができる、ということを行動で示すことが、理解を促し、偏見をなくすことにつながります。

生徒で命名「プリンセス」

プリンセス

モデルショップ「プリンセス」

洋裁のモデルショップ「プリンセス」は、職業訓練校から車で10分ほどの中所得層が住む場所にあります。2007年12月から営業を開始しました。訓練校の卒業生2名により、今年7月には1ヵ月で40人・136件の注文をこなしました。移動をしやすい乾期には、流行のデザイン情報を把握するために、近くのお店に見学に行くそうです。

卒業生の一人は、モデルショップでは、技術だけでなく、店の運営や接客をすることができるので楽しい、と話してくれました。一方で、村に帰ってお店を開くにあたり、お金の面や、周囲の人々から障害者に対する理解が得られるかなどに、不安もあるようです。

先生の熱意と情熱

プリンセスで働く卒業生

プリンセスで働く卒業生

このように、訓練生・卒業生全員が、高い技術を身に付け、卒業後に自分たちの力で働いていけるよう、先生たちは様々な工夫をしています。

伝えているのは技術だけではありません。障害者に対する社会の理解を得るためには、村に帰ってからも自ら行動で示していく必要があることや、そのためにどうしたらよいかなどについても教えています。その熱意と愛情は、訓練生たちにしっかりと伝わっています。

訓練校の先生や仲間たちの存在を支えに、全員が自立の道を歩んでいくことを応援しています!

この活動は、多くの方からのご寄付に加え、平成19年度下半期国際ボランティア貯金の助成(寄付金の配分)も受けて行っています。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 広報・支援者サービス担当 吉澤 有紀

2007年12月より東京事務所勤務。学生時代から国際協力に関心を持ち、ボランティア活動に従事。大学卒業後にシステム会社に就職。6年半の勤務後、難民を助ける会へ(千葉県出身)

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