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スリランカ:洪水被災地の障害者に車いすなどを届けました

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内戦と洪水で苦しい生活を強いられるスリランカの障害者

スリランカ東部では2010年末から2011年初頭にかけて広範囲で洪水が発生し、約100万人の被災者が出ました。難民を助ける会でも緊急支援チームを日本から派遣し、合計約1,600世帯に食料や生活必需品などの支援物資を配付しました。

緊急支援活動は終了しましたが、支援活動のために現地で調査を進めるうちに、スリランカ東部で障害者のおかれている状況が明らかになってきました。この地域には、長年続いた内戦の中で負傷し、障害を負った人々が数多くいます。社会的な福祉制度は不十分で、車いすなどの補助具は十分普及していません。また、障害のある人たちはできる仕事が限られてしまうため、以前から貧困状態にある場合が多く、今回のような自然災害に見舞われた時、自力で生活を立て直すことは非常に困難です。

そこで、難民を助ける会ではこの地域の障害者に車いすや杖などの補助具を配付することを決め、現地の障害者支援NGO、SLFRD(Sri Lanka Foundation for the Rehabilitation of the Disabled)と協力して8月から調査を進めました。配付対象となった地域は、東部州アンパラ県のデヒアッタカンディヤ郡とポッツビル郡、トリンコマレー県のカンタレ郡とキンニヤ郡の計4郡です。2011年9月、車いすを36名に、子ども用車いすを4名、手漕ぎ三輪車を10名、杖を20名、歩行器とマットレスを各1名、計72名に届けました。受益者の中には、洪水で自宅や家財道具を失うなど大きな被害を受けた人も大勢いましたが、今回の支援によって、学校に行ける、仕事ができる、と喜びの声が聞かれました。

「子どもを学校に送って行けます。すてきな三輪車をありがとう」

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洪水で流されたしまった子どもたちの学用品をまた揃えるのが大変だった、と語るガミニさん

ガミニさん(42歳)はポリオが原因で子どもの頃から脚が不自由です。杖を使っていましたが、近年移動がだんだん困難になってきていました。奥さんと3人のお子さんがいますが、洪水で自宅は大きな被害をうけ、子どもたちの学用品も失われてしまいました。茶葉や穀物を売って生計を立てているガミニさんは、この三輪車で仕事がずっと楽になると喜んでくれました。

「三輪車に子どもを乗せて学校まで送れるようになったんです。とても気に入っています。難民を助ける会とその支援者の方々に、心から、お礼を言いたいです。」

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リノザさんはこの車いすでまた学校に行く、と話してくれました

リノザさんはポッツビル郡に住む21歳の女性。ポリオのために下肢が不自由です。中学校まで通っていましたが、学校でよく転んでしまうことがつらくなり、進学をあきらめた、と涙を交えて語りました。今回車いすを届けると、また勉強を再開して、大学まで行きたい、と熱意をこめて話してくれました。

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ニロシャンさんが脚を失ったのは内戦が原因でした

プラバット・ニロシャンさんは現在24歳、カンタレ郡に住んでいます。両脚を失ったのは、内戦が原因でした。3年ほど前、タミル人の独立を求めるグループに暴行を受け、意識不明の状態で線路上に放置されました。列車の近づいてくる音で意識を取り戻したニロシャンさんは、痛む体でなんとか線路から離れようとしたのですが、間に合わず、脚を切断されてしまったのです。

今回難民を助ける会から受け取った手漕ぎ三輪車で、ニロシャンさんは早速宝くじ販売の仕事を始めました。お父さんの手がけていたプランテーションは洪水で壊滅してしまったので、宝くじ売りの収入でお父さんを支えたいといいます。事故以前からの恋人と結婚するための資金をためるのが目標だそうです。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 林 早苗

2010年6月より東京事務局で主にミャンマー(ビルマ)事業を担当。大学卒業後、民間企業に勤務。その後、英国の大学院で人類学を学び、国際機関勤務などを経て難民を助ける会へ。ミャンマーサイクロン「ギリ」の緊急支援、スリランカ洪水支援などに従事。(栃木県出身)

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