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ミャンマー(ビルマ):地域に根ざした障害者支援を行っています

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ミャンマー(ビルマ)では、障害者への理解や施設のバリアフリー化が進んでいないため、障害者が仕事を得たり、学校に通ったりすることがとても難しくなっています。AAR Japan[難民を助ける会]は、ミャンマーにおける障害者支援として、これまで職業訓練校の運営(2000年~)、障害児学校の支援(2001年~)などを実施してきました。2009年からは、障害の有無に関わらず誰もが仕事や勉強ができる社会の実現を目指した活動を行っています。

地域のみんなを巻き込んでいこう

障害当事者グループへの研修の様子

AARのスタッフが講師を務めた障害当事者グループへの研修。メンバーは講師の説明を熱心に聞いていました(2012年5月31日)

AARは、ヤンゴン(ラングーン)市内のダラー地区とシュエピター地区で、障害当事者グループの設立とその運営を支援しています。グループは障害のある方10~20名からなり、周囲の人々への啓発活動や、就労・就学に向けた地域への働きかけを行っています。AARは、グループが立ち上がるとまず、個人ではなく団体で活動することの強みや利点、障害者の権利に関する知識などをメンバーに説明します。続いて、グループが円滑に活動を進められるよう、リーダーシップ、会計などの研修を実施。その後、所得創出のため、家畜の提供や、起業支援を行っています。現在は2地区で合計6グループが活動しています。

ダラー地区の障害当事者グループによる理容室が開店しました

ダラー地区に開店した理容室

全員で話し合った明るい雰囲気の内装。メンバーが地域の行政機関に掛け合い、土地は無料で使わせてもらえることになりました(2012年8月15日)

ダラー地区のグループでは、メンバー内にAARが運営する職業訓練校の美容・理容コースの卒業生が2名いたため、皆で話し合って理容室を開くことに決めました。開店場所や内装などもメンバーで相談して決め、土地の確保や宣伝にも全員で取り組みました。開店に必要な資金はAARが支援。2012年7月、ついに理容室が開店しました。

初めて仕事をするメンバーは「大変なことも多いけれど、自分たちのお店を持てて、お金を稼ぐことができて嬉しい」と社会参加の喜びを話してくれました。理容師のネイ・リン・アウン(23歳)さんは、「ひとりで始めるのは大変だけど、仲間と協力して店を開くことができて良かった」と言います。今後、売り上げの7割は理容師の給料や電気代などの経費に充てられ、残りの3割はグループで貯蓄し、また協力して雑貨店や洋裁店を開くための資金になります。

「障害があっても学校に通えるよ」

ナイン・ナイン・ワンくんと子どもたち、ミャンマー事務所駐在員の林早苗、北朱美、現地スタッフのチャン・ミー・アウン

AARの支援で学校に通い始めたダラー地区のナイン・ナイン・ワンくん(中央)と、右端からミャンマー事務所駐在員の林早苗、現地スタッフのトン・アウン・ミッ、駐在員の北朱美(2012年5月29日)

ダラー地区とシュエピター地区の学齢期の障害児の就学率は、30%ほどです。ミャンマーには、「障害児は学校に受け入れてもらえない」と思い込んでいる家族も多くいます。AARは、そうした家族に、教育の大切さや、障害があっても地域や学校の理解を得て通学できることを理解してもらうため、グループのメンバーと一緒に障害児の家庭を訪問し、話し合いを重ねています。

障害児を受け入れていない学校があれば、校長先生や教育関係省庁などに受け入れを交渉するとともに、車いす用の机や校舎のバリアフリー化も支援しています。また、実際に生徒と接する教師を対象にワークショップを開き、「作業に時間がかかってもできないわけではない。待つことが大切」など、障害児に必要な配慮を説明しています。これまでに、ダラー、シュエピター両地区に住む103名の障害児が、新たに学校に通えるようになりました。さらに、経済的な理由で通学できない障害児へは、制服・学用品を支援。勉強が遅れがちな障害児へは家庭教師の派遣も行っています。

「また学校に通えて、勉強ができて嬉しい」

ナイン・ナイン・ワンくん

AARが就学支援をしたナイン・ナイン・ワンくん(13歳)は、脳性まひの後遺症で脚に障害があります。小さいころは母親に抱っこをしてもらい、通学していましたが、身体が大きくなったために移動が難しくなり、学校に通えずにいました。AARはナインくんが他団体から提供された車いすを通学用に改造したり、学校と交渉して校舎の入り口にスロープを設置するなどして、環境を整備。ナインくんは、再び学校に通えるようになりました。通学再開後は、勉強の遅れを取り戻すため、家庭教師も派遣しています。ナインくんは、「また勉強ができて嬉しい。コンピューターを学び、将来はAARの事務所で働き、ほかの障害者を支えたい」と話してくれました。

AARは障害当事者グループを支援するとともに、地域住民や行政機関への働きかけや、障害理解についてのワークショップも、グループと協力しながら積極的に行っていきます。より多くの障害者が仕事や通学の機会を得られるよう今後も活動を続けてまいります。

※この活動は、皆さまからのご寄付に加え、外務省日本NGO連携無償資金協力、フェリシモ地球村基金、積水ハウスマッチングプログラムの助成を受けて実施しています。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

ミャンマー事務所駐在 北 朱美(きた あけみ)

2012年2月よりミャンマー事務所駐在。臨床検査技師として病院に勤務した後、カナダとタイで公衆衛生を学ぶ。帰国後、AARへ

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