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キラーロボット(殺傷ロボット)の規制に向けた初めての国際会議に参加

2014年05月22日  啓発
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スイスで行われた専門家会合にAARも参加しました

会合の様子

87ヵ国の政府代表と、国連機関、赤十字国際委員会、NGOの職員などが参加しました(2014年5月13日)

「キラーロボット(殺傷ロボット)」とは、自律的に標的を決定し、人間の判断なしに攻撃を行う兵器のことです。まだ戦場では使われていませんが、技術的には10~20年の間に実現可能とも言われています。この兵器の誕生を阻止するために2013年4月に発足した市民社会の国際的なネットワーク「キラーロボット反対キャンペーン(Campaign to Stop Killer Robots)」に、AARは運営委員として参加しています。

5月13日から16日にかけてスイス・ジュネーブの国連欧州本部で、キラーロボットの規制について多国間で初めて協議される「特定通常兵器使用禁止制限条約」(CCW)の非公式専門家会合が開催されました。国際条約であるCCWによるキラーロボットの規制に向けて、大きな意味を持つ会議です。キラーロボット反対キャンペーンの一員として、AARからも理事長の長有紀枝と東京事務局の松本夏季が参加しました。

「キラーロボットの問題は原爆と同じ」

発言する長有紀枝

キラーロボットの規制の必要性を訴えるAAR理事長の長有紀枝。左は1997ノーベル平和賞受賞者のジョディ・ウィリアムズ氏(2014年5月13日)

13日の全体会議では、30ヵ国の政府に加え、赤十字国際委員会、国連軍縮研究所、そしてAARを含めた9つのNGOが発言しました。AAR理事長の長は、「原爆の開発を止めることができれば広島や長崎の悲劇は生まれなかった」と述べ、同じように大きな被害を生む可能性のあるキラーロボットは、戦場に配備される前に、予防的に開発を中止するべき兵器であると強く訴えました。AARの発言(英語)の全文はこちらよりご覧いただけます。

CCW専門家会合は、キラーロボットに深く関わる「国際人道法」、「人道法以外の国際法」、「倫理面と社会的影響」、「軍事」というテーマごとに専門家が登壇し、参加者からのコメントや質疑応答を受けながら進められました。どのセッションでも予定時間を超えて協議され、多くの政府が関心を持ってこの問題に向き合っていることが分かりました。全日程を通して、多くの国が2015年以降も多国間協議を継続する必要があると認め、キューバ、エクアドル、エジプト、バチカン共和国、パキスタンの5ヵ国は、国際的な禁止の必要性を明確に訴えました。今年11月14日から17日にかけて行われるCCW締約国会議では、CCWの枠組みでキラーロボットを規制するための議論が必要かどうか話し合われます。

協議がこれからも続くよう、後押ししていきます

キャンペーンからの参加者記念写真

今回の会議には、キラーロボット反対キャンペーン参加団体から約40名が集いました。2014年5月12日(ジュネーブにて)(c)Campaign to Stop Killer Robots

キラーロボットの規制に向けての国際的な取り組みはまだ始まったばかりです。この恐ろしい兵器の誕生を阻止するためには、私たち市民を含めた国際社会の協力が不可欠です。AARは、キラーロボットの問題は単に政治や軍事の問題ではなく、市民社会が一丸となって取り組むべき人道問題であると考え、これからもこの問題に取り組んでいきます。

キャンペーンロゴ

「キラーロボット反対キャンペーン」は、2013年4月に殺傷ロボットの問題に関心を持つNGOの世界的な集まりとして発足しました。現在24ヵ国から51団体が参加しており、随時参加団体を募集しています。ご関心のある団体は、AARまたはキャンペーン事務局までご連絡ください。

※特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)とは、非人道的な兵器の使用禁止や制限を目指す条約で、日本を含む117ヵ国(2014年5月21日現在)が参加しています。本体条約と、個別の通常兵器について規制する5つの附属議定書からなり、X線で検出不可能な破片を利用する兵器、地雷とブービートラップ、焼夷兵器、失明をもたらすレーザー兵器、不発弾を発生させるような兵器について使用が規制されています。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 松本 夏季

2012年4月より東京事務局にて広報・啓発担当。大学院在学中に国際機関でインターンとして勤務し、卒業後AARへ。

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