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ザンビア:ルサカ事務所での活動終了 長年のご支援に心より感謝します

2019年04月26日  ザンビア感染症対策
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2019年3月をもって、ザンビアのルサカ事務所で行ってきたHIV/エイズ対策、母子保健の2つの活動を終了しました。ルサカ事務所最後の駐在員、三木将からの報告です。

AARスタッフやクリニックのスタッフ、地域のボランティアたちと筆者の三木。笑顔の集合写真

クリニックの職員や地域のボランティア、AARルサカ事務所のスタッフらと駐在員の三木将(前列中央)(2019年3月11日)

「日本の皆さんへの感謝の気持ちでいっぱい」

制服を着た幼いサロメとセシリア

2011年に撮影したサロメ・テンボ(左)とセシリア・チペタ(右)。学校でも仲良しでした

2000年9月より開始したHIV/エイズ対策では、感染を予防するための啓発活動や患者へのケア、医療施設の建設・整備、服薬支援、医療ボランティアの育成に加え、エイズで親を亡くした子どもたちが勉強を続けられるよう就学支援を行ってきました。
当時、小学生だった遺児の多くは学校を卒業しています。そのうちの2名、セシリア・チペタとサロメ・テンボは、2015年よりルサカ事務所のスタッフとして勤務していました。二人とも幼い頃に親を亡くし、AARの支援を受けながら学校に通い、高校を卒業。同じような境遇にある子どもたちの支援がしたいと、AARのスタッフになりました。AARが活動を終了するにあたって、ご支援くださった皆さまへの2人からのメッセージです。

「一生に一度のチャンスと思い、懸命に勉強しました」 サロメ・テンボ
赤ちゃんを抱えたお母さんに話を聞くサロメ

母子保健事業の巡回診療に来たお母さんに話を聞くサロメ・テンボ(右)(2019年3月)

「孤児になると同時に経済的な苦境に立たされ、私は学校を卒業できるとは思っていませんでしたが、幸運にもAARが支援をしてくれました。それが私を強くしてくれ、一生に一度のチャンスであることを常に念頭におき、悪い友人からの誘いを避け、それまで以上に、懸命に勉強しました。
AARに雇用されたことで、家族を経済的に支えるだけでなく、私自身も働きながら大学に進み、勉強を続けることができました。AARの活動でアシスタント・フィールド・コーディネーターとして働く経験を積むことができたことについても、感謝しています」

「AARの支援で勉強し、今は家族の生活も支えています」 セシリア・チペタ
赤ちゃんを抱えて座る女性に話をきくセシリア

母子保健事業の巡回診療に来たお母さんとセシリア・チペタ(左)(2019年3月)

「4年生から12年生(日本の高校3年)まで、AARの教育支援を受けました。8歳で父親を亡くし、病気がちな母親の面倒をみなければならなくなりました。祖母も体調が悪くなり、幼い私にとって大変な状況になりました。しかし、AARが支援してくれたおかげで中等教育を修了することができました。私は支援を裏切りたくなかったので、授業を休みませんでした。
2017年に母親も亡くし、弟たちの学校の授業料や生活を支えなくてはならなくなりましたが、AARで働いていたため、それらが可能になりました。また、地域の人たちを巻き込んだ仕事を通じて、私はコミュニケーションの方法を学びました。人々とより効果的に仕事をするために必要な経験をし、それを身につけることができました。日本の皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいです」

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「礎の石孤児院」のザンビア現地コーディネーターのムタレ桜子さん(左から3人目)とAARの三木(同4人目)(2019年3月)

サロメとセシリアの活躍は、支えてきた我々にとっても、支援を受ける遺児たちにとっても大きな励みとなりました。
現在も2名の遺児が就学中ですが、彼らへの就学支援および保護者の生計支援はザンビアでエイズ遺児を支援する日本のNGO「礎の石孤児院」に引き継ぎます。同団体のザンビア現地コーディネーターのムタレ桜子さんは、「AARが種撒きし、大切に育ててきた事業を継続させ、これからも苦しんでいる孤児たちの希望でいられるよう発展させていきたいと思います」と話してくださいました。

お母さんと子どもたちの命を守る

木に吊るした体重計で子どもの体重を測るスタッフとそれを見守るお母さんたち

巡回診療の様子。木に吊るした体重計で子どもの体重を測定します(2018年6月)

2016年2月からは、ルサカ近郊のカフエ郡の医療過疎地にて、妊産婦や乳幼児の高い死亡率の改善に取り組みました。母子保健サービスが届きにくい地域にクリニックや出産待機所、職員用宿舎を建設。医療機器を提供したほか、母子保健を推進するためのボランティアを育成。また、遠方の地域を回って妊婦検診や予防接種などを行うクリニックの巡回診療を支援しました。
今年3月15日、巡回診療に来たお母さんたちは、「(以前は陣痛が始まってからクリニックへ歩いて行かなくてはならなかったが)出産待機所ができたので、安心して出産を迎えられます。(リスクもある)自宅での分娩が減りました」「AARのおかげで巡回診療の質が向上し、家の近くで子どもの検診を受けられるようになりました」と話してくれました。

座って話をする人々

地域ボランティア(右端)の活動の様子。妊婦の家庭を訪問し、妊婦の夫(左端)に対しても、妊娠中の危険な兆候などについて説明(2018年6月)

クリニックの入り口で女性に話を聞くAARスタッフ

「AARのおかげで、長い距離を歩く必要がなくなりました」巡回診療に来たグレイスさん(右)(2019年3月)

3年間の活動により、巡回診療の利用者は7割増え、クリニックでの出産件数も8割増えました。また、地域の約2,100人の女性および約2,300人の5歳児未満の子どもたちを取り巻く医療環境を改善することができました。AARが活動を終えても、カフエ郡での母子保健活動は、クリニックの職員やボランティア、郡の保健局が続けていきます。これまでのルサカ事務所での活動を支えてくださった皆さまに心より御礼申し上げます。

母子保健の活動は皆さまからのご寄付に加え、外務省日本NGO連携無償資金協力の助成およびを受けて実施しました。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

ルサカ事務所 三木 将

大学卒業後、民間企業を経てケニアでボランティア活動に従事。帰国後、2015年7月にAARへ。東京事務局で広報、緊急支援を担当した後、2018年3月にザンビアへ。熊本県出身

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